あなたにピッタリ合った杖を選ぶポイントⅡ

前回の「あなたにピッタリ合った杖を選ぶポイントⅠ」では<自分の身長に合う杖を選ぶ>、<杖の種類を知ろう>という二つのポイントで書きましたが、今回は杖の仕組みと杖の材質および購入後のメンテナンスについて書かせていただきます。

①    杖の仕組みを知ろう。

自分に合う杖を選ぶうえで、杖の仕組みを知ることも大切です。杖はグリップ・ゴム先の三つで構成されています。杖の仕組みを知ることも自分に合った杖を探すための大切な要素になってきます。

1) グリップ                              グリップは杖の中で一番重要な部分になってきます。福祉用具全般に言えることですが、人の体に接する部分が一番大事なのです。杖ではその部分がグリップになります。手の大きさは、個人差がありますので力を入れやすい適当な太さの物を選ぶことが必要です。

握ったときに、親指と人差し指が第一関節あたりで重なるものが、力を入れやすく握りやすい太さとなります。柄との角度も大切で、小指側の方がやや高くなっているものの方が、自然と足より前に付くことができます。この角度も足の歩幅・身長によって個人差があります。

2) 柄                                 柄はまっすぐなもので適当な重さがある方がつくときに安定します。柄の長さを調節できる杖や折りたためるタイプの杖もあります。

3) ゴム先                               ゴム先で重要なのは滑りにくいことです。様々な形状の物があります。摩擦すると滑りやすくなるので、滑り止めの溝がなくなったり、片方が磨り減ったら早めに交換することをお勧めします。

②    杖の材質・太さについても知っておこう

杖を使う上で重さ等も重要になってくると思います。高齢者の方は、年々力がなくなり重い杖を不便と感じ使わなくなってしまう方もいると思います。材質等も色々あるのでその時の自分に合った材質を選ぶことも大切です。

1) 柄の太さ・材質                           柄の太さですが、太い方が丈夫ですがその分重くなります。細くても簡単に折れるわけではないので、重さと安定感をポイントに選ぶと良いと思います。

柄の素材には、軽くて強度があり加工性もあるアルミや重量が軽く、強度のあるカーボンファイバーや長さの調節できるものがすくない木などがあります。 カーボンが一番軽く、アルミ、チタン、スチールの順に重くなります。

2) 握りの太さ・材質・形状                       握りの太さは、男性なら太め・女性なら細め等手の大きさに合わせて決めるのがいいです。

握りの材質には、握ったときに暖かさと柔らかさがあり一般的に広く使用されている木製や形状が様々で手にフィットするよう作られている樹脂製や滑りにくく、手にかかる圧力を吸収し、拳の痛みを軽減する発泡素材などがあります。

発泡素材は他のも同様にはありますが、使用していくと若干摩擦します。

握りの形状には、T字型・L字型・丸形等様々な形状があります。自分に合った握りやすいものを選ぶとよいでしょう。また、ゆっくり歩く方には杖の体重を掛ける部分が広いタイプもお勧めです。

③    購入後のメンテナンス。

自分に合った杖を選ばれても、使用していく上でゴム先等摩耗して悪くなっていきます。そのまま使用し続ければ、雨などで道路が濡れてグリップが滑りやすくなります。そのため転倒等の事故に繋がりかねません。ゴム先等は早目に取り換えることをお勧めします。また、体の状態が変わっているのにも関わらず前の状態で選んだ杖を使用して入れば、腰痛・肩痛等の原因にもなります。自分に合わなくなったと感じたら、自分に合った杖をもう一度選びましょう。使用者本人だけでなく家族の方も注意して確認していただけると、健康な歩行維持につながると思います。

「あなたにピッタリ合った杖の選ぶポイント」に関して前回、今回と2回に分けて紹介させて頂きました。ご理解いただけましたでしょうか。これらを参考に是非、「あなたにピッタリ合う杖」を見つけてみてください。

あなたにピッタリ合った杖を選ぶポイントⅠ

最近杖をついて街を歩かれているシニアの方の姿をよく目にします。足腰に少し不安があっても元気に出歩かれることは健康的にも、精神的にも非常に良いことだと思います。また昔に比べて杖の種類も格段に増え、カラフルでおしゃれになったことも大きな要因だと思われます。それではあなたが杖を選ぶ時、どんなことに注意していますか?絵柄や重さなどでしょうか?実は自分に合う杖を選ぶには重要なポイントを押さえておくことが大切になります。自分に合わない杖で歩行することは、転倒してけがをすることもあります。自分に合う杖のポイントを理解することで、杖を歩行時の補助としてきちんと使うことができ、転倒等の事故を減らすことができます。自分にピッタリ合う杖を選ぶためのポイントをまとめましたので、是非参考にしてください。

①    自分の身長にあう杖を選ぶ。

 杖を選ぶ時まず注意していただきたいのが、自分の身長に合った杖を選ぶことです。長すぎても・短すぎても使いにくく、それが原因で正しい歩行姿勢が取れずに転倒したり、腰痛・肩痛などの原因になったりします。

1)杖の長さの目安を知ることが大切です。

杖の長さの目安は、自分で計算ができるのです。

その計算は・・・身長÷2+3cm=長さの目安

例えば:154cmの方の杖の長さの目安は?

154cm÷2+3cm=80cm

この杖の長さの目安は、参考値になります。人それぞれ座高や足の長さに個人差があるように全員に当てはまるのではありません。この長さの目安を参考にして実際にご自身で歩いてみて、使いやすい杖の長さを選んでいただく事が大切です。

2)正しい握りの位置を知ることも大切です。

杖を握ると位置的にしっくりこない等あるかもしれません。その場合正しい握りの位置になっていない場合があるので、握りの位置を知ることも大切です。

正しい握りの位置は、腕をリラックスした状態で下に垂らしまっすぐ伸ばします。杖の先をまっすぐ伸ばした腕の足先20cm前方におき、肱は30~40度屈曲した位置が正しい握りの位置になります。杖を選ぶ際握りの位置も参考に選ぶと良いと思います。

 ② 杖の種類を知る

    杖にはいろいろな種類があるのは知っていますか?             自分の体に合う杖の種類を知ることも重要です。合わない杖での歩行は転倒につながり、また身体の状態を更に悪化させる原因にもなりますので自分に合う杖の種類も知っておきましょう。

・T字型杖                            今、もっとも普及しており使われている杖だと思います。全体の形からT字型・もしくはL字型と呼ばれているものになります。手首の力が利くように把手と支柱に角度がついています。握りは、比較的まっすぐで握りやすくなっています。支柱は把手の中央寄りについてる物の方が、力をまっすぐにかけやすくなります。ですが、支柱が指の間に入るためやや持ちにくくなりがちです。重さは、だいたい200g~500gくらいの物が多いです。重心が下にあるものは使用する際重く感じる方もいらっしゃいます。出来れば、握りから3分の1以内に重心がある方が使いやすいです。

・多脚型杖(多点型杖)                                                                           T字型よりも一層の安定を求めて作られた杖が多脚型杖です。把手はT字型と同じで一つですが、足が4本または3本に別れています。着地面積が広いので安定度は高いです。体重を掛けても倒れにくいので、立つ姿勢の悪い方の歩行訓練に適しています。比較的軽いので、腕の力がなくても使用できます。

・松葉杖                                若い方でも足を怪我したときなどに使用されることがある松葉杖は、通常2本1組で使用されます。重い荷重に適した杖で安定性に優れています。上半身に問題はなく、下半身に怪我や障害を抱えている人に適しています。

・肘支持型杖  (プラットホームクラッチ)                               別名リウマチ杖ともいいます。肘を曲げ、前腕を乗せる部分がついており、縦向きのグリップを握って使用します。肘に障害があり伸ばすことが困難な方や、リウマチなどによりしっかりとグリップを握れない人に使用しやすい杖です。前腕をのせているため、グリップを離して休むこともできます。

・ロフストランド杖                                                                             腕の力、特に握力が弱い方に向いています。握りと前腕の2点で支えるため、グリップをしっかりと握れない人にも使用可能です。